morioka

 「手水舎を探し手を清め、二礼二拍一礼でお参りをする。」私が遅ればせながら、最近行うようになった神社での最低限の作法です。幼少の頃から近所の小さな神社で遊んだり、初詣や受験祈願など少なからず関わり合いを持ってまいりましたが、神社での立ち居振る舞いなどにはあまりこだわっていませんでした。そんな私が冒頭にあるような作法を行い始めたのは3年前に結婚した妻から影響を受けてからです。妻は神社への信仰が厚く、造詣も深いので、付き合いを始めた頃から神社へ行くことが何度かありました。その時に手水を教えられ、この神社では二礼二拍一礼(各神社の作法によります)だからと、二人でお参りをして帰る。

morioka-3

このようなことを繰り返しているうちに以前よりも興味を持つようになってきたのです。自分の中での神社の存在が少し近くなると、その神社の御祭神は何なのか、歴史的背景はどうなっているのかなど、参拝のついでに敷地内を散策すると実にいろいろなことが学べることも分かりました。そして、私の人生で神社との縁が最も強まったのは、東区の筥崎宮で挙げた結婚式でした。自分の中で失われつつある日本の古き良き厳かな伝統を掘り起こされ、良い経験ができたと思っています。

 先日、妻が友人から御朱印帳をもらいました。御朱印とは神社を参拝した時にその証として参拝者に押印してもらえる印影のことです。もともとは禅宗などの寺社に写経を納めた証としていただいていたのが由来だそうですが、いつしか神社も取り入れて、今ひそかなブームになっているようです。スタンプラリーのようにそれをもらうことが目的になってしまうと本末転倒ですが、積極的に足を運ぶ動機づけにもなるのでいいことだと思います。我々夫婦もそんなに頻繁に各地の神社を回れるわけではないので、生涯の間にゆっくり集めることができたら程度に考えています。

morioka-4

 私は神社の歴史や作法には疎かったのですが(今も疎いのですが)雅楽や能などには以前から興味を持っていました。しかし趣味としては多数派ではないので、その情報を得ることがあまりできていませんでした。神社巡りをするようになり、式典などにアンテナを張っていれば雅楽の演奏はついて回りますし、能楽堂などとのつながりもあるので興味の幅も広がってきたような気がしています。

 日本には大小さまざまな神社がありますが、人を集めるために多くの努力を行わないと運営は難しいとも考えています。少しでも神事の良さを人に伝え、自分も楽しみながら微力ながら支えていけたらいいなと考えながら、参拝を続けてまいりたいと思います。